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2007.04.09

重松清「きみの友だち」

Img_5549_1 レビューをちゃんと書いておこうと思って読み返しました。

先週、先々週と休日は午前にお花見散歩、午後は疲れて自宅で午睡か読書。そんな日課だったので、読書の時間はたっぷりあったのでした。

 重松清 「きみの友だち」

作者がこの本で書いている世界が、今の子供たちの本当の世界よりも厳しいのかそうでもないのかはわかりません。

けれども、子供たちは大変な世界に生きているのだなと思いました。

はずす、はずされる。とばす、とばされる。戦争、同盟。

いじめはいつ誰にでも起こりうること。時々NHKなどでも特別番組の企画がされています。「野ブタをプロデュース」もいじめでした。

今日は人気者でも、明日はいじめの対象になってしまうのかもしれない。

不安な中で、目立たないように、嫌われないように、<みんな>の顔色をうかがいながら、とにかくやりすごす。

この本の主人公は、あることがきっかけで足を悪くして、友達だと思っていた子たちと疎遠になってしまった恵美ちゃんという女の子。

彼女を中心に、弟や弟の友達、彼女の友達やクラスメートのそれぞれにスポットが当てられてお話が進行していきます。

そしてラストで、この話を第三者の視点で展開しているのは、今では大人になった恵美ちゃんから昔の話を聞き、それを小説にした彼女の婚約者だったことがわかります。

彼女の婚約者が作者と重なります。その優しい視線があるからお話全体がとてもあたたかい。

彼女のたったひとりの友達は、生まれつき病気で、中学を卒業することなく死んでしまった由香ちゃんという女の子。

<みんな>を相手にしているうちは、それは<ともだち>ではない。<みんな>から<だれか>に変わったならば、それが<ともだち>。

恵美ちゃんが、<みんな>に好かれることが大切だと思っている女の子に、

 いなくなっても一生忘れない友だちが、一人、いればいい。一生忘れたくないから、たくさん思い出、ほしい。だから・・・『みんな』に付き合っている暇なんてない。

という言葉が重い。

この本は<ともだち>について、ひとつの解を示してくれていると思います。

新学期がはじまりました。

進級、クラス替え、新しい友だち。

一生忘れられない友達を、たくさんの思い出を、作って欲しいなと思っています。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

こんにちは!!
すがです。さすらいペットこまちがお世話になりました(笑”
これがきっかけで仲良くなれてよかったです。

このいじめについて書かれた本・・・
なんだか現役の子供の立場からみて
すごくリアルだし、耳が痛いです。
目をつぶってしまいたい現実を突きつけられるような感じ。。。これからの高校生活
私がいじめの加害者に・・・
被害者に・・・
いつだってなりえるということ。
そんなことを心配しないでもいいような世の中になりますように・・・。

また遊びに来ます。

投稿: すが | 2007.04.10 16:56

すがさん

こんばんは。コメントありがとうございます。

さて、「きみの友だち」は、決していじめの本ではありません。
<友だち>っていいなと思える本です。機会があったら読んでみてください。
たまたまレビューをアップして、高校生のすがさんにコメントして。。。

これも何かのご縁。これからもどうぞよろしく。

投稿: moonshiner | 2007.04.10 22:25

お久しぶりです。

そうだったんですか。
ぜひ機会があったら読んでみます。
まだ高校に慣れなくて友達関係も
まだしっかり築かれていなくて
不安がいっぱいあります。
そんな時よんだら勇気がわきそうですね。

こちらこそよろしくお願いします。

投稿: すが | 2007.04.14 18:14

すがさん

また来てくれてありがと。
HP見ました。
真剣な想い。
今の高校生ってちゃんと考えているんだな、
私が高校生だった頃よりも大人だな、など勉強になります。
でも、恋愛はおんなじだね。ファイト!

投稿: moonshiner | 2007.04.15 17:39

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