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2006.11.27

入江泰吉「斑鳩の里落陽」に想う

Img_06241 11/25の美の巨人たちは、入江泰吉「斑鳩の里落陽」でした。

画像は奈良市写真美術館の入江泰吉コレクションのページを参照ください。

昨年の6月、この美術館に彼の写真を見に行って来ました。その時に、「斑鳩の里落陽」も見てきました。

何年も待って捉えた一枚。

夕暮れに浮かび上がる法隆寺・五重塔のシルエット。押し寄せるうろこ雲。黄色い光のように伸びる雲間。全てがこれしかないという瞬間。

写真はさることながら、私がこの日の美の巨人たちで印象に残ったのはその中の語りでした。

法隆寺で思い出すのは、聖徳太子、世界最古の木造建築、夢殿といった華やかで明るい話題です。

しかし、法隆寺には悲しい出来事があったということを番組で思い出しました。

法隆寺は、聖徳太子の息子・山背大兄王が、蘇我入鹿に攻められ自害した場所(場所は斑鳩寺)。つまり、聖徳太子一族が滅亡した場所だということ。

蘇我氏と聖徳太子一族は身内の関係で、太子と入鹿はおじとおいの関係だったのに。。。

Img_05761 この時代は、権力闘争に明け暮れて、裏切り、陰謀が満ち満ちて、権力のためならば身内だろうと関係無い、そんな時代でした。

同じく、入江泰吉が撮った「二上山暮色」。ここは謀反の疑いをかけられ自害した悲劇の皇子、大津皇子が眠る場所。

そうしたいにしえの人たちの<気配>を入江泰吉は写真に込める。だから、美しい風景写真というだけではない何かがある。

私は彼の写真に湿感を感じます。それが、<気配>なのかもしれません。

こういう話を書いていると、また奈良に行きたくなってしまいます。今頃はきっと紅葉がきれいなのでしょうね。

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