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2005.07.01

そして、「彼」に会いに興福寺

第五回。奈良の旅の締めくくりは、興福寺です。

Img_0765

ここに行くと、必ず彼に会いに行きます。彼とは『阿修羅像』。

阿修羅は、説明によると、

梵語(古代インド語)のアスラ(Asura)の音写で、「生命(asu)を与える(ra)者」とされたり、また「非(a)天(sura)」にも解釈され、まったく性格の異なる神になる

とのこと。イメージ的には、悪神の方が強いかもしれませんね。

Ashura_4

これは、入江泰吉氏が撮った「阿修羅像」。

興福寺の阿修羅像は全くそんなイメージがありません。『街道をゆく-奈良散歩-』で司馬遼太郎は次のように書いています。

 「(略)少女とも少年とも見える清らかな顔に無垢の困惑とも言うべき、神秘的な表情が浮かべられている。顔も体も贅肉が無く、性が未分であるための心もとなさが腰から下のはかなさに漂っている。眉のひそめ方は、自我に苦しみつつも聖なるものを感じてしまった心の戸惑いを表している。すでに、彼、あるいは彼女は、合掌しているのである。といって、眼は求心的ではなく、ひどく困ってしまっている。これを造物した天平の仏師にはモデルがいたに違いない。貴人の娘だったか未通の采女だったか。阿修羅は私にとって代表的奈良人なのである。」

無垢の困惑とは言い得て妙。こうした司馬さんの表現が好きです。私も阿修羅様の前で、これを造った人は一体どんな想いでこの像を造ったのだろうと回想せずにいられません。そしていつも、「また会いに来るからね」と彼に告げて、国宝館を出るのです。

興福寺を終点に今回の奈良へに旅は終わりました。興福寺から近鉄奈良までは歩いて数分。帰りは新幹線で京都から帰京しました。たいへん暑かったですが、お天気にも恵まれ、のんびりと行きたいところにだけ行った充実した旅でした。また別の入江泰吉の写真の地を歩きたいと思います。

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