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2005.05.28

西行花伝

辻邦夫の「西行花伝」を読みはじめました。日本語とはなんて美しいのだろうと、その文体・表現をじっくりかみ締めながら読んでいます。したがって、なかなか読み進みません。。。

西行が詠んだ桜の歌が大好きです。

 願わくは 花のしたにて 春死なん そのきさらぎの 望月の頃

 仏には 桜の花を たてまつれ わが後の世を 人とぶらはば

桜は死を連想させます。夜桜には、冥府にいざなうような危うさや怪しさを感じます。桜の木の下には死体が眠っていると言います。そして何よりも、他の花とは違い、桜は年に一度決まった季節にしか咲きません。だから、満開の桜の下を歩くと、また今年も桜を見ることができたね。そして、あと何回この桜を見ることができるのかな、と思わずにはいられないのです。そして、できれば、西行のように花のもとで死にたいと。

今年は満開の桜が散り始めた頃に目黒川に行きました。その時の散り行く桜の激しさ。そして、川面を埋め尽くして流れていく桜の花びら。うららかな春の昼の夢のような出来事でした。夢枕獏「陰陽師シリーズ」の「鬼小町」を思い出しました。鬼になった小野小町に、激しく桜吹雪が吹きつける。「業」の恐ろしさと哀しさを感じさせるお話です。

「西行花伝」のお話しは、もっと読み進んだ次の機会に。

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